コラム

  • Home
  • コラム
  • 【2023年】交通事故件数に関するデータについて
情報/トピックス
【2023年】交通事故件数に関するデータについて
公開:2024年4月15日
交通事故件数307,930件(2023年)は19年ぶりの増加!

2023年の全国交通事故発生状況(2024年3月警察庁交通局発表)によると、交通事故件数は307,930件となり、19年ぶりの増加となりました。対前年比7,091件増で、+2.4%という増加率でした。コロナ禍で社会活動が制限され交通事故件数が減少した2020年から、コロナが5類指定に移行して徐々に経済活動が元に戻るにしたがって、交通事故件数が増加したものと考えられます。



交通事故件数を都道府県別にみると、東京都が全国ワースト1位の31.385件で、対前年比+1,215件、4.0%の増加となり、全国平均の2.4%を大きく上回りました。次いで大阪府(25,951件)、愛知県(24,547件)、神奈川県(21,870件)、福岡県(20,173件)と続きました。


都道府県別交通事故件数ワースト5



交通事故件数のワースト5の順位はこの3年間同じ順位で、この5年間でみても5位だった静岡県を抜いて神奈川県が入れ替わって入ってきた程度です。

 また1位の東京都は4年連続、2位の大阪府は3年連続増え続けています。これらの地域では新型コロナが5類に移行する前から交通事故件数が増えていることになります。


重傷事故件数が増加の傾向

交通事故件数が増加したことに関して特徴的なことは、重傷事故件数が増えているということです。



交通事故件数も死亡事故件数も軽傷事故件数も増加率は2%台なのに対し、重傷事故件数は6.0%という増加率となりました。

 また都道府県別でみると、重傷事故件数が最も多かったのは大阪府の2,958件で8.3%の増加、次いで埼玉県1,681件(+1.5%)、東京都1,680件(+11.3%)、千葉県1,493件(+4.6%)、神奈川県1,271件(+15.2%)と続き、重傷事故件数は首都圏の都道府県が多い傾向という結果となっています。


年齢層別重傷事故件数の傾向(*原付以上運転者が第1当事者の場合)

原付以上運転者が第1当事者(最も過失の大きい当事者)の場合の年齢層別の重傷事故件数(2023年)は下表のとおりで、5054歳が最も多いという結果になりました。



この世代の運転者数が多いということが理由でもありますが、比較的運転に熟練した年齢層と考えても差し支えない4559歳に重傷事故が多いことは特徴として挙げられます。前年からの増減数は、5054歳が267件の増加で、増加率12.9%でした。特に高齢者や若年者に重傷事故が多いということは無いようです。

法令違反別重傷事故件数の傾向(*原付以上運転者が第1当事者の場合)

重傷事故発生件数を法令違反別でみてみると、最も多いのが安全不確認で6,420件、前年からの増加数は186件(+3.0%)でした。さらに交差点安全進行違反で2,382件、前年から113件(5.0%)増加、歩行者妨害等の違反2,136件、前年から182件(+9.3%)増加と続いています。




重傷事故件数に占める法令違反の傾向は毎年同じで、安全運転を行わなかった場合、歩行者に気をつけなかった場合、うっかり注意を怠った場合重傷事故につながる傾向が高いと言えます。上位5項目が全て増加に転じたことに危機意識を持ち、安全運転に日頃から取り組み、注意を怠ることなく、ゆとりある運転を心掛けることが大切です。


事故類型別重傷事故件数の傾向

重傷事故件数を事故類型別でみると、下表のとおりで車両相互の事故、人対車両の事故ともに増加しましたが、車両単独の事故は減少という結果でした。



車輛相互の事故の内訳は、多い順に出合い頭(7,561件)、右折時(3,460件)、追突(1,831件)、正面衝突(1,330件)、左折時(1,043件)でした。

 また、人対車両の事故の内訳は、多い順に横断歩道横断中(2,618件)、横断歩道や歩道橋付近以外のその他個所横断中(1,913件)、背面通行中(527件)、対面通行中(319件)、横断歩道付近横断中(266件)という結果でした。これを道路横断中全体で集計すると4,817件と圧倒的な件数でした。

車両単独事故は件数は少ないですが、転倒(567件)、防護柵等衝突(225件)、電柱衝突(137件)の順でした。


 出合い頭の事故が最も多いことと、交差点や交差点付近の車両や人を巻き込む事故が多いことが特徴で、これらの事故原因の傾向を踏まえて運転を行なうことが大切になります。



道路形状別重傷事故件数の傾向

重傷事故が最も多く発生した道路の個所は、下表のとおり信号機のない交差点です。次いで信号機のある交差点で、交差点全体では14,885件(環状交差点1件含む)でした。

 また交差点以外では一般単路、カーブ・屈折個所という順でした。



一般単路では追突や歩行者の予期せぬ横断など、注意を怠ることで事故の危険性が高まるため、交差点以外を運転する場合も気を付けて安全運転することが大切です。


注意を怠ることなく、安全運転から安心運転へ

交通事故を起こさないためには、運転者自身が常に注意を払って運転をすることはもちろん、事故原因となっている多くの事象を理解して運転することが大切です。交差点や交差点付近では他の車両や歩行者に注意を払い、交差点以外でも漫然と運転することなく、常に注意を怠らずに、事故に合わない、事故に巻き込まれないように気を付けて運転することが大切です。

 日頃から安全運転を心掛けることに加えて、他の運転者や歩行者に対して気配りのできる運転が求められています。譲る心と思いやりをもち、運転者自身だけでなく相手にも安心感を与える「安心運転」が大切になります。法令違反をせず交通ルールを守ることに加えて、相手や同乗者にも安心感を与える「安心運転」を全ての運転者が身に付けることが求められているのです。




コラム(2024.3.29発行)

2023年】交通事故死者数に関するデータについて はこちらから


監修

大阪ガスオートサービス
大阪ガスオートサービス株式会社
SAFE推進部 安心運転訓練センター
企業ドライバーに特化した安全運転教育を提供し続け、20年。
受講企業数340社以上、受講者数は12万人を超える(2023年3月末時点)。
交通心理士/心理士補、指定自動車教習所検定員/指導員、交通機動隊白バイ隊員など、豊富な経験を持つ講師陣が、多角的な視点、専門的知見により、安全・安心運転ドライバーへと導く。
公式YouTubeチャンネル

お問い合わせ

安心運転講習の受講をご希望の方はお気軽にお申込ください。

研修のお問い合わせはこちら

PAGE
TOP