運転者が運転中に見たこと、考えたこと、判断したこと、操作したことすべてを実況中継のように口に出しながら運転する方法をコメンタリー・ドライビング法といい、イギリスの警察学校の上級運転者を対象に開発されたとされる方法です。

コメンタリー運転を行うことによって、以下の効果が期待されます。
・運転に集中できる
・危険予測の実践・習慣化ができる
・遠くを広く観ることができる
・自己の客観視ができる
・運転モードへ切り替えができる

交通事故の多くは、確認(認知)不足が要因とされており、
次のグラフを見ていただくとわかるように、「見る」ことに関係する違反による事故が大半を占めています。

運転中、私たちは多くの情報を目にしていますが、それを「危険につながる可能性」として捉えていなければ、
見えていても認知できていない状態になります。
例えば、
・駐車車両
・横断歩道
・歩行者の動き
これらを「ただの情報」として流すのではなく、「どこに危険があるか」を探しにいく、という意識がなければいけません。
曖昧な認知のまま進行すると、次の判断(減速か・停止かなど)や操作(ブレーキ操作・ハンドル操作など)も曖昧となり、急な行動になる可能性があり危険です。
例えば時速60kmでは1秒で約17m進むため、認知や判断のわずかな遅れが事故につながります。
事故防止には次の流れが重要とされています。
⇒危険を探しにいく(認知を早める)
⇒判断を明確にする
⇒行動を早める(余裕をもって行動できる)
この一連の流れを確実にする手段のひとつが、コメンタリー運転です。
コメンタリー運転は次の2つを基本とします。
1.注意対象を声に出す
「駐車車両」
「歩行者」
「対向車」
「横断歩道」 など
➡危険を“探しにいく”意識を習慣化する
2.意思決定を声に出す(判断と行動の明確化)
「停止」
「よーし」
ここで特に重要なのが、
「停止」の使い方です。
■ 「停止」の考え方
コメンタリー運転では、止まる可能性があると判断し、「停止行動」をした時点で一律「停止」と発声します。
停止行動とは、
・アクセルを戻す
・ブレーキを構える
・減速する
・停止する
という4つの行動すべてを指します。

※イラストはAIによる生成イメージです
■交差点
・交差点に接近。こちらは直進。対向車が右折待ちで止まっている
「交差点 対向車 停止 後続車あり」「よーし」
⇒対向車の急な右折に備え、「停止」とともにブレーキを構える。被追突リスク軽減のため、後続有無を確認
■横断歩道
・前方に横断歩道を発見。渡ろうとする歩行者あり
「横断歩道 歩行者 停止 後続車なし」「よーし」
⇒横断歩行者に対して確実に停止するとともに、後続車有無を確認
■左折
・交差点を左折する。左後方から自転車の接近あり
「自転車 停止 後続車あり」「よーし」
⇒巻き込み事故防止のため、曲がる前に停止。後続有無を確認
■見えにくい場面
・左前方に駐車車両あり
「駐車車両 停止 後続車なし」「よーし」
⇒急な死角からの飛び出しなどに備え、減速とブレーキの構えを行っている。ドア開き、急発進などの危険を予測
※「よーし」は予測した危険箇所の安全が確保されたときに発声する

ポイント
① 危険を「探す意識」で運転する
⇒ 見る運転から探す運転へ
② 「注意」より「停止」
⇒ 判断の曖昧さの排除へ
③ 停止、または停止が予測される場面では早めに「後続車あり・なし」を発声
⇒ 被追突事故防止へ(早めの予告ブレーキなど)
④「よーし」は確認できたときだけ使う
⇒ 必ず危険要素がクリアになったことを確認してからコメントする
いかがでしょうか?
「見ている」から「危険を探している」へ
「なんとなく進む」から「停止で判断する」へ
まずは日々の運転で、声を出す。ここから始めてみてください。
その一言が、
安全だけでなく「安心」をつくる運転へと変えるきっかけとなります。
※本文中のコメンタリー運転の方法はDaigasグループ内でのルール一例です。全国での統一ルールというものではありません。
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