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今年の春の交通安全運動は4月6日(月)から4月15日(水)までの10日間全国一斉に行われました。
4月から施行された改正道路交通法の話題が先行し、自転車に関する交通安全が議論されるなかでの実施となりました。
重点は以下の3項目でした。
重点1 通学路・生活道路におけるこどもを始めとする歩行者の安全確保
重点2 「ながらスマホ」の根絶や歩行者優先等の安全運転意識の向上
重点3 自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底
全国交通安全運動は内閣府の交通対策本部が中心となって推進する交通安全啓発活動期間で、春と秋それぞれ10日間に渡って実施されています。
春の交通安全運動は4年に1回全国統一地方選挙が行われる年を除き、毎年4月6日~15日の日程で行われています。
2026年春の期間中の全国の交通事故数は7,723件、交通事故死者数は53人でした。


出典:警察庁交通局 令和8年春の全国交通安全運動期間中の交通事故発生状況
春の交通安全期間中の交通事故件数は、昨年に引き続き2年連続での増加となりました。
一方で、昨年増加した交通事故死者数は減少し、統計を取り始めた1955年以降で最少の数値となりました。
2025年の交通事故件数は2024年から-3,659件と微減だったことを踏まえても、交通事故件数の減少が今年も継続するのか疑問符が付く結果となりました。
対して、2025年の交通事故死者数2,547人と、前年比-116人を記録しており、その傾向が春の交通安全運動期間も継続しているのではないかと考えられる結果でした。
2026年の春の重点に関しては、昨年に比べて簡潔で何に対して重点が置かれているのかわかりやすくなりました。
〇重点1
昨年「こどもを始めとする歩行者が安全に通行できる道路交通環境の確保と正しい横断方法の実践」
今年「通学路・生活道路におけるこどもを始めとする歩行者の安全確保」
今年はより具体的で現場重視(通学路など)+周囲を含めた安全確保へシフトしていることがわかります。
〇重点2
昨年「歩行者優先意識の徹底とながら運転等の根絶やシートベルト・チャイルドシートの適切な使用の促進」
今年「ながらスマホの根絶や歩行者優先等の安全運転意識の向上」
こちらもより項目をしぼって、特に重要な危険行動(ながらスマホ)と運転意識の改善に集中していることがわかります。
〇重点3
昨年「自転車・特定小型原動機付自転車利用時のヘルメット着用と交通ルールの遵守の徹底」
今年「自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底」
今年は基本となるルールの理解・遵守を徹底させることに重点を置いた内容にシフトしています。
春の交通安全運動期間中の交通事故件数を都道府県別にみてみると、4年連続でワースト1位だった東京都を抜いて、大阪府が2021年以来5年ぶりのワースト1位となりました。また5位には静岡県が入り、昨年5位だった福岡県は415件で、450件で6位の埼玉県に続き7位となりました。
しかし、順位を下げた東京都、愛知県、神奈川県とも交通事故件数は増加しており、今後ますます交通事故減少に努めることが重要だと考えられます。
都道府県別春の全国交通安全運動実施期間中の交通事故件数上位5都道府県(単位:件)

出典:警察庁交通局 令和8年春の全国交通安全運動期間中の交通事故発生状況
また、春の交通安全運動実施期間中の交通事故死者数は、数値が小さいこともあり、数件の事故で順位が変動するため参考になりますが、2026年の全国ワースト1位は千葉県、三重県、兵庫県の4人でした。
今回も全国交通安全運動が実際に交通事故減少に効果があったのか、昨年春・秋の全国交通安全運動の数値から検証してみます。
2023年から2025年の交通事故件数と交通事故死者数を交通安全運動期間とそれ以外の期間で比較してみると、交通事故件数は交通安全運動期間中の平均が1日755件、それ以外が1日812件、交通事故死者数は交通安全運動期間中平均が1日6.7人、それ以外が1日7.2人という結果でした。

出典:警察庁交通局 令和8年春の全国交通安全運動期間中の交通事故発生状況
※参考:昨年の数値

出典:警察庁交通局 令和7年春の全国交通安全運動期間中の交通事故発生状況
昨年の数値と比較すると、過去3年平均で交通安全運動期間中の1日あたりの交通事故件数は786件から755件と前回に引き続き減少し、交通安全運動期間以外の期間でも1日あたりの交通事故件数の824件から812件という減少数でした。
交通安全運動期間中の1日平均件数・死者数はそれ以外の期間より低い傾向がみられます。ただし、この比較だけでは因果関係までは断定できず、季節性や交通量、曜日構成などの影響も考慮する必要があります。
今年も2026年1年間の交通事故件数を春の交通安全運動期間中の数値をもとに予想してみます。交通事故の発生件数を予想することはある意味不謹慎なことでもありますが、1件でも交通事故が減ることを願っての交通事故の数値予想です。
春の交通安全運動と年間の数値の相関を考えて適用すると、2026年は交通事故件数が301,774件で前年比5.1%増という予想になります。
※年間交通事故件数および死者数は、過去4年の春期間の構成比(件数:2.56%、死者数:2.30%)を基に、春期間の実績値から年間値を推計しています。
2026年の交通事故件数と交通事故死者数の可能性

出典:警察庁交通局 令和8年春の全国交通安全運動期間中の交通事故発生状況
一昨年、昨年と減少した交通事故件数ですが、予想では今年3年ぶりの増加に転じる可能性があるという結果になりました。
しかし、交通事故死者数に関しては減少する可能性があります。
今年は交通事故件数が増えるかもしれないということを念頭に置き、絶対に事故を起こさないという気持ちで運転することが大切です。
今年の春の交通安全運動は、自転車の交通違反に対する青切符制度の導入により、交通ルール遵守への関心が高まる中で実施されました。今後は車道を走行する自転車の増加が見込まれ、運転者にはこれまで以上の注意が求められます。
春の交通安全運動の重点の1つは「ながらスマホの禁止」でした。これは、車だけでなく自転車にも適用されます。自転車でのながらスマホは反則金12,000円で、自転車の反則金としては最高額です。車の場合は18,000円でこちらも高額ですが、ときどきスマホの画面を見ながらや通話をしながら運転している運転者も見かけます。ながらスマホは最も危ない運転です。絶対にしないように自分自身に言い聞かせましょう。また自分が同乗者である場合も、運転者がスマホを操作しようとしたときは責任を持って止めましょう。
反則金が高いということは、それだけ危険が高いということです。決して交通違反を起こすことのない運転を心がけましょう。一人ひとりのその心がけが、交通事故の不安のない社会へとつながるのです。
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