2025年の全国交通事故発生状況(2026年1月の警察庁交通局発表)によると、交通事故死者数は2年連続減少となりました。交通事故死者数は2,547人。対前年比116人減少で、‐4.4%と、昨年の‐15人(‐0.5%)と比べて大幅な減少率となりました。

交通事故死者数を都道府県別に見ると、前年6位だった神奈川県がワースト1位となりました。神奈川県の死者数は139人で、前年比で30人(+27.5%)の大幅増加です。
一方、前年ワースト1位だった東京都は2位に後退し、死者数は12人減少しました。
3位には北海道が入り、死者数は前年より25人増加しました。これは神奈川(+30人)、滋賀(+26人)に次ぐ増加数です。
また、東京都の隣県である埼玉県は死者数が12人増え、順位を5位から4位に上げました。5位には前年3位の千葉県が入り、東京近郊の都県で交通事故死者数が目立つ結果となりました。
減少傾向にはあるものの、大阪府(120人、前年比-7人)や愛知県(112人、前年比-29人)は依然として交通事故死者数の減少が求められています。

2024年に交通事故死者数が前年の増加から再び減少に転じたことは、前年の新型コロナウイルスの5類移行による経済活動の活発化によって一時的に増加した状態から落ち着きを取り戻して平常に戻ってきたからと考えられましたが、2025年も引き続きその傾向と考えられます。
その他の特徴としては、高齢者(65歳以上)の死者数が前年より90人減少したことです。これにより、前年に高齢者の死者数が増加したために低かった全体の減少率が改善されました。
全体に占める高齢者の死者数の割合は55.9%で、前年の56.8%から0.9%改善し、高齢者の比率がわずかに低下しました。


交通事故死者数は大幅減少になりましたが、交通事故発生件数は速報値ベースですが交通事故死者数ほどの減少とはなりませんでした。
交通事故発生件数(速報値)は、2025年は前年比‐3,556件減少(‐1.2%)の287,236件でした。この数値は昨年に引き続き今の集計方法(軽微な被害の場合を含んだ集計)を行なうようになった1960年以降の最小値となりました。
この‐1.2%という減少率は、2020年から昨年までの1年平均の減少率‐1.7%と比べるとやや減少幅が少なく、交通事故死者数の減少率‐4.4%と比べても減少率が低いと考えられるため、今後さらなる減少に努めることが重要と考えられます。


交通事故負傷者数(速報値)に関しては、2024年の343,756人と比較して338,294人という結果で対前年比‐5,462人(‐1.6%)にとどまりました。
交通事故負傷者数に関しては交通事故発生件数とほぼ同じ傾向で、今後引き続き減少に努めることが重要です。
車の安全技術に関しては自動運転の取り組みも進み、引き続き安全な車をめざして開発が続いています。
さらに交通法規に関しては、自転車に対する青切符の施行が間近(2026年4月1日)に迫り、車だけでなく自転車にも安全運転意識の向上が求められるようになります。
交通事故死者数は2,547人にまで減りましたが、第11次交通安全基本計画で目標としていた2025年までに交通事故死者数2,000人は達成できませんでした。
交通事故による死者数のうち、約半数にあたる1,292人(48.5%)が歩行者(965人、36.2%)と自転車利用者(327人、12.3%)※で占められています。
この状況に加え、これらの数値が主要な欧米諸国と比較してかなり高いことを鑑みると、歩行者および自転車の交通事故死者数を早急に減少させることが強く求められます。

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