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【2023年】交通事故死者数に関するデータについて
公開:2024年3月29日
交通事故死者数2,678人(2023年)は8年ぶりの増加!

 2023年の全国交通事故発生状況(2024年1月の警察庁交通局発表)によると、交通事故死者数が8年ぶりに増加したようです。その数は2,678人。対前年比68人増で、+2.6%という増加率となりました。


 

 また死亡者数を都道府県別にみると、大阪府が全国ワースト1位の148人で、対前年比+7人、5.0%の増加となり、全国平均の2倍近くと大きく上回りました。次いで愛知県(145人)、東京都136人。北海道(131人)、千葉(127人)と続きました。


都道府県別死者数ワースト5



 当サイトを運営する大阪ガスグループのある近畿地方では、大阪府以外に京都府も死者数59人と対前年比+14人で31%の大幅増加となりました。近畿全体でも交通事故死者数409人で12人増加、対前年比3.0%と全国平均を上回る増加を記録しました。近畿は全国でも交通死亡事故の多い地域とということになり、より一層交通事故に気を付ける必要があります。


交通事故死者数増加の背景

 交通事故死者数が増加した背景は、新型コロナウイルスが5類に移行したことに伴って社会活動が活発化したからだと考えられています。

 それを裏付ける数字として、高齢者(65歳以上)の交通事故死者数は減少しているにもかかわらず、高齢者以外の数字が増加したことが挙げられます。社会活動が活発化したことの中心を担う世代ですね。高齢者は対前年比6人減少(-0.4%)でしたが、高齢者以外は対前年比74人増加(+6.5%)という結果でした。




 社会活動が活発化に伴って交通事故死者数は増加しています。運転者一人ひとりがより一層安全運転に気を配ることが大切です。
高齢者の交通事故死者数が多い理由

 近年は高齢者交通事故死者数は減少していますが、比率でいえば高齢者(65歳以上)の交通事故死者数は全体の54.7%を占め、非常に高い水準です。人口10万人あたりの交通事故死者数も高齢者は4.04人と、高齢者以外の1.36人と比べて約3倍に達しています。

 高齢者の交通死亡事故の多い大きな理由が、横断歩道外横断時の死亡事故が多いということです。2022年集計では歩行者の死亡事故のうち、約半数の48.5%を占めました。これは高齢者以外の20.8%と比べて約2.5倍にもなります。また横断歩道横断中の死亡事故に関しても高齢者は歩行者の死亡事故のうち28.6%を占め、高齢者以外の19.4%を大きく上回っています。運転者としても高齢者の近くでの運転時には、高齢者が道路を突然横断するかもしれないと注意を払って安全運転を心掛けることが必要ということです。



 さらに高齢運転者の交通事故死者も高い水準であるということも高齢者の交通死亡事故が多い理由の1つです。高齢者のうち特に75歳以上の高齢運転者の死亡事故に関しては、75歳未満と比べて圧倒的に車両単独事故の比率が多くなっています。2022年統計では、車両単独死亡事故が75歳未満では19.4%の比率であるのに対し、75歳以上高齢者の運転者では43.8%の比率となり、2倍以上となっています。内訳では工作物衝突と路外逸脱が大半を占め、特に路外逸脱は75歳以上高齢者では75歳未満の4倍近い比率となっています。原因も操作不適、すなわちハンドル操作不適とブレーキとアクセルの踏み間違いが大きい理由です。
 この高齢運転者の傾向を理解して、高齢運転者の運転する車の近くを走行する場合でも巻き込まれないように気配りして安全運転に心掛けることが大切です。

交通事故発生件数自体が増えている

 交通事故死者数が8年ぶりに増加と警察庁の発表にありましたが、交通事故発生件数も同じく増加しているようです。

 交通事故発生件数は現時点では速報ベースですが、2023年は前年比7,072件増加(+2.4%)の307,911件でした。交通事故件数が2.4%増加したことに伴って、同じく交通事故死者数が2.6%増加したことになります。同様に速報ベースで交通事故負傷者数は8,426人増(+2.4%)の365,027人でした。交通事故死者数は8年ぶりの増加ですが、交通事故件数と負傷者数は19年ぶりの増加となってしまいました。この3項目共の増加は2000年以来23年ぶりとなります。




気配りをして安全運転から安心運転へ

 交通事故に合わないためには、運転者自身が気を付けて事故を起こさないだけでなく、事故原因となるさまざまな事象を理解して、他の運転者や歩行者に対しても気を配ることで、事故に合わない、事故に巻き込まれないことが大切です。そのために安全運転をすることに加えて、相手に対して気配りのできる運転が求められています。交通ルールを守ることはもちろん基本ですが、それ以外に譲る心と思いやりをもち、運転者自身だけでなく相手にも安心感を与える「安心運転」が重要になるのです。交通事故の統計の数字からも、運転者がどんなことに気配りをして、どんなことに気を付けて運転しなければならないかがわかります。

 今、安全運転を超える「安心運転」を全ての運転者が身に付けることが求められているのです。


監修

大阪ガスオートサービス
大阪ガスオートサービス株式会社
SAFE推進部 安心運転訓練センター
企業ドライバーに特化した安全運転教育を提供し続け、20年。
受講企業数340社以上、受講者数は12万人を超える(2023年3月末時点)。
交通心理士/心理士補、指定自動車教習所検定員/指導員、交通機動隊白バイ隊員など、豊富な経験を持つ講師陣が、多角的な視点、専門的知見により、安全・安心運転ドライバーへと導く。
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